電子書籍広告論Vol.2


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 本記事は『電子書籍広告論Vol.1』の続きです。

電子書籍広告ビジネスの構築方法

 前回の記事では「電子書籍広告ビジネスを成立させるには、手順を可視化し準備を行うことが必要」とお伝えしました。今回は具体的な考え方、手法について見て行きましょう。

広告ビジネス構築に必要な5つの要素

 まず、電子書籍広告ビジネスを開始する際に必要な5つの要素を確認します。

【電子書籍広告ビジネス構築に必要な5つの要素】

  1. 必要なデータ
  2. CPC(コスト・パー・クリック)
  3. プライシング
  4. 発行部数
  5. クラアント・ベネフィット

 これらの数字をしっかりおさえておけば、電子書籍広告を魅力的な媒体としてアピールすることが可能になります。それは企業であっても、インディーズ作家であっても変わりません。むしろこれからの時代は、インディーズ作家の方が始めやすいかもしれません。

1.必要なデータ

 インターネット広告の効果測定には、様々な考え方があります。しかし、本質的に言えば、必要なデータは3つです。

1-1.媒体の属性

 どんな属性の人がその媒体を読んでいるかのデータ。
 属性とは、性別、年齢、興味・関心などのこと
です。電子書籍の場合、タイトル、コンセプトのみでもかなり詳細な属性分類が出来ます。例えば、『釣りマガジン』であれば釣りに興味がある人しかダウンロードしません。

1-2.クリック数

 広告を出稿してクリックされる想定値。
 あくまで一般論ですが、1回の出稿で同じ属性の読者から「2,000クリック」されれば、それなりの媒体価値と言えます。

1-3.反応

 出稿したクライアント(広告主)の感想を集め紹介することで、客観的に媒体の魅力を紹介することができます。

2.CPC

 CPCとは「コスト・パー・クリック」の略で「1クリック辺りの価格」のこと。
 例えば、あなたの広告媒体が1回出稿するのに「50,000円」とし、300クリックあったとします。すると、「50,000(円)÷300(クリック)」=【CPC:166円】となります。

 CPCは安いほど喜ばれますが、これと言った絶対的な基準が存在しません。大手企業の広告媒体資料を見ると、平均CPC833円というものもありますし、平均CPC130円というケースもあります(キャッシング系や美容系だと1クリック辺り1,000円を超える場合もあるようです)。

 と言うことは、現状でCPCが高い業界に対し、安価で効果が出る広告の提供が出来れば当然売れます。そしてCPCは、次のプライシングの基準にもなります。

3.プライシング(値付け)

 広告媒体のプライシング(値付け)は重要です。法外に高いのであれば売れませんし、だからと言って安ければいいと言うわけでもありません。不思議なもので、人は「安い広告=効果が出ない広告」と無意識に認識してしまいます。

 ですので、変に安い値付けは広告の価値を落としてしまうおそれがあります。また、当たり前ですが、効果が無い広告を価値のあるように見せるのは反則です。

 では、どのように値付けをすると良いのでしょう? ここで先ほどのCPCを活用します。

 例えば、あなたが『もっと自分をキレイに魅せる! 秘密のお化粧テクニック』という美容関係の電子書籍を無料出版し、扉ページに掲載したバナーのクリック数が「300クリック」あったとします。そして、美容業界の平均CPCを調べると「350円」であることが分かりました。

 以上のデータから考えれば、少なくとも「105,000円(300クリック×350円)」の媒体価値があると言えます。

 ※具体的なCPCは、Googleのキーワードツールや、WEB上で見つかる媒体資料を参考にします

4.発行部数

 メルマガ広告においても、発行部数は重要な指針とされています。「30,000人の読者がいる」と言えば、もちろん強力な武器となります。しかし、電子書籍の発行(ダウンロード)部数が30,000に達するまで、広告展開できないかと言えばそうでもありません。

 クライアント(広告主)が、「有益な集客につながる媒体である」と納得すれば、どんな媒体でも売れるからです。そして、1~3の要素を磨き丁寧にご案内をしていけば、あなたの電子書籍広告枠を魅力的に見せることは十分可能です。

5.クラアント・ベネフィット

 1~4の要素は、これからお伝えする要素の為にあると言っても過言ではありません。

 それは、「クライアント(広告主)にとっての利益」です。クライアントがあなたの広告媒体に出稿したら、どんな結果を得られるのか? このたった1点を納得させることが出来れば、あなたのクライアントになるでしょう。

 ここで再度、電子書籍『もっと自分をキレイに魅せる! 秘密のお化粧テクニック』の広告枠を、クライアントに提案することを考えてみましょう。

1-1.媒体の属性

 この媒体の属性は「20~40代、自分をさらに綺麗にしたい女性」です。化粧・エステ・コスメなどに興味を持っています。また、スマートフォンを利用しており、時代の流行にも敏感です。

1-2.クリック数

 1回の出稿で300~最大700近いクリック数があります。

1-3.反応

 以前出稿して頂いたクライアント様からは「購買に結び付きやすい非常に濃いアクセスが来た」とお褒めの言葉を頂きました。

2.CPC

 想定CPCは「350円」です。同時に、調査時の根拠も提示します。

3.プライシング

 広告媒体出稿料は1回「90,000円」です。


 以上の様に提案することで、媒体の特徴と価値を的確に伝えることが可能です。また、CPCから算出する想定値より、プライシングが安価に設定されておりお得感もあります。

 クライアント側からすれば、
 最も効果が低くて「300クリック×350円=105,000円
 最も効果が高くて「700クリック×350円=245,000円
 それが「90,000円」であれば悪くない媒体だな、と判断基準を持つことができます。

 この要領で、一冊につき10社のクライアントを獲得できればどうでしょう?
 90万円の売上になります。もちろん相応の営業努力は必要ですが、個人で行っているのであれば十分な収益と言えます。そうなれば、2冊目もさらにクオリティを上げられますし、読者にとってもメリットがあります。

注意点

 各数値は実際の数値に基づく正確なものにします。数字を盛ったり、大袈裟に案内するのはご法度です。併せて、業界基準の平均CPCを提出する時は、必ず客観的なデータを提示します。

 そして、重要なことは「クライアント(広告主)」にとって魅力的な媒体だと映れば、その時点でビジネスとして成立しているのです。この視点を忘れなければ、常にクライアント視点の提案を行うことが出来ます。

次回予告

 以上、「電子書籍広告ビジネスの構築方法」を見てきました。次回は、電子書籍広告ビジネスを行う為の「アクションガイド」と「現状の課題」についてお伝えします。お読み頂き、ありがとうございました。

続編『電子書籍広告論Vol.3』はコチラ


2015-02-02 | Posted in 電子出版戦略論No Comments »