電子書籍市場はブレイクするか?キュレーション市場から考える

kabu

 現在(2014年10月)、情報をまとめるサービスである「キュレーション」市場がブレイクしています。その模様は、以下のようなニュースから分かります。

■GunosyがKDDIなどからさらに12億円を調達、テレビCM中心にプロモーションを継続
http://jp.techcrunch.com/2014/06/23/jp20140623gunosy/

■SmartNews、新たに36億円調達 グリー・ミクシィとは業務提携も
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1408/08/news111.html

■DeNAがiemoとMERYの2社を計50億円で買収、キュレーション事業に参入
http://jp.techcrunch.com/2014/10/01/jp20141001dena-iemo-mery/

■ニュースキュレーション「NewsPicks」運営ユーザベースが4.7億円の資金調達
http://thebridge.jp/2014/08/uzabase-raised-470m-yen-from-itv

時代が追いつくと、莫大な資金が流れ込む

 上記はキュレーション系サービスのほんの一部です。これ以外にも様々なサービスがあります。今年に入ってキュレーション系サービスへの資金調達のニュースが増えましたが、それぞれのサービス開始日は以下のようになっています。

SmartNews:2012年6月15日設立
MERY:2012年8月設立
Gunosy:2012年11月14日設立
NewsPicks:2013年9月18日サービス開始
iemo:2013年12月18日設立

 このように、サービス開始から長くて2年の新しいサービスばかりです。これは「時代が追いついた」ため、お金が流れ込んでいるのだと思います。1999年~2000年に起きたITバブルも同様の流れで、市場にお金が余るほどになったと言います。

 特定の市場に対して、お金が流れ込むとその市場は一気に活性化します。WEBはもちろん、TV、雑誌、新聞等のマスメディアで取り上げられ、著名人も使い始め、大衆層に浸透していきます。

電子書籍はブレイクするのか?

 次にこの観点から、電子書籍市場を考えてみます。2010年に「電子書籍元年」がありました。私はてっきり2011年には、電子書籍市場においても上記のような「ブレイク」があると思っていました。しかし、残念ながらありませんでした。そして、2014年10月現在、電子書籍系企業に対して大きな資金投下は行われていません。

 それでは、なぜ市場に対してお金が流れ込まないのでしょう?先ほどの事例から考えるなら、単純に「まだ時代が追いついていない」ことが考えられます。

 電子書籍を「スマートフォン向けのデジタルコンテンツ」、もしくは「スマートフォン向けのまとまった情報提供メディア」と考えるなら、そこに大きな可能性は確実にあります。今はまだ、「電子書籍=紙出版の模倣品」という誤った認識・見方が多数存在しますが、インターネットの本質が「情報伝達」であることから、電子書籍も突然変異を起こし全く新しい進化を遂げる可能性もあります。

 ただ、スマホの普及により、すでに追いついている可能性も高いです。今は潜伏期間で、ある時期を境に大きく変化が起きるでしょう。本サイトでは、そのサインを見逃さないためにも追求し続けていきます。